検索は1秒、人づては3分。でも3分のほうが、旅は長く残る。旅人15人に聞いた「現地の友達のつくりかた」全メソッド。
検索は1秒、人づては3分。でも3分のほうが、旅は長く残る。バックパッカー、駐在帰り、元船乗り。旅人15人に「現地の友達のつくりかた」を聞いたところ、最大公約数はあっけないものだった。
曰く、「同じ店に2回行く」。1回目は客、2回目は「また来た人」、3回目はもう常連である。人間の顔認識は世界共通で、2回目から態度が変わる。メニューを聞く前に「いつもの?」と聞かれたら、その街に友達がいる。
曰く、「道は2回聞く」。1回目は道を、2回目は「あなたのおすすめ」を。質問が世間話に化けた瞬間、地図アプリには載らない店の名前が出てくる。検索結果は誰にでも同じ答えを返すが、人は聞いた人にだけの答えをくれる。
最年長の旅人(68歳・元船乗り)の技はさらに単純だった。「プラスチックの椅子に座りなさい。世界中どこでも、あの低い椅子の周りでは、みんな暇だから」。実践したところ、15分でサッカー談義に巻き込まれた。優勝である。
意外だったのは、連絡先を聞かない派が多数だったこと。「また会えたら友達、会えなかったら旅の登場人物」。この距離感を覚えてから、記者は別れ際が怖くなくなった。SNSでつながらない友情は、更新されない代わりに、劣化もしない。