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INTERVIEW

熊野古道で「歩く」しかやることがなくなった日。

雨で予定が全部崩れて、ただ歩くだけになった。3時間目に頭の中が静かになったエンジニア(41)の話。

TEXT: 語り手:エンジニア・41 ILLUSTRATION: 線画置き場 ◷ 読了 約3分 2026.06.29
hour 3 — the brain goes quiet
石段、杉、石段、杉。単調は、最高の消音材である。

「本当は滝も温泉も回る予定だったんです。全部、雨で流れました」。残ったのは、宿までの20kmの古道だけ。エンジニアの彼は、仕方なく歩き始めた。

01

2時間目までは、うるさい

「最初の2時間は頭の中がずっと会議でした。仕事のSlack、返してないLINE、来期の目標設定。歩いてるのに、脳は東京にいる。それが3時間目くらいに、ふっと静かになった。石段、杉、石段、杉。入力が単調になると、脳が諦めるんだと思います」

歩くしかない状況は、
脳にとっての機内モードである。
02

杉の匂いだけになった

「気づいたら、杉の匂いのことしか考えていませんでした。あれを瞑想と呼ぶのかは分かりません。ただ、あの静けさはアプリでは再現できなかった。課金しても無理です。歩数と引き換えにしか買えない静けさがある」。彼は今も、深夜のデバッグに詰まると熊野の石段を思い出すという。

— fin —
語り手:エンジニア・41毎日12時間画面を見る仕事。年に2回、画面のない道を歩いて中和している。
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