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ありがたい「渋い駅そば」を巡礼する。

乗り換え7分、実食4分。ホームの湯気には、新幹線が奪えなかった旅情が残っている。読者投稿の偏愛カタログ。

TEXT: 投稿:えきそば見習い ILLUSTRATION: 線画置き場 ◷ 読了 約3分 2026.07.01
そば・うどん やまびこ transfer 7min / eating 4min / memory ∞
発車ベルをBGMに食べる一杯は、なぜ2割増しでうまいのか。

新幹線は速くなり、駅弁は上品になった。それでもホームの片隅の湯気には、昭和から続く旅情が残っている。読者「えきそば見習い」さんによる、渋い駅そば巡礼の記録である。

1

音威子府そば(跡地巡礼)

北海道・音威子府村。真っ黒いそばで知られた駅そばの名店は、すでに暖簾を下ろした。それでも巡礼者は跡地を訪れる。「もう食べられない一杯」は、記憶の中で無限に美味くなり続ける。これは駅そば界の聖地であり、供養である。

2

我孫子・弥生軒の唐揚げそば

千葉県我孫子駅。そばの上に、そばより大きい唐揚げが2個乗る。バランスは崩壊しているが、船を漕ぐように食べる。かつて山下清が働いていた店としても知られる。おにぎりではなく唐揚げが名物になったのは、歴史の妙である。

3

姫路駅「まねき」のえきそば

和風だしに中華麺という、聞くだけなら事故のような組み合わせ。食べると発明である。終戦直後、傷みにくい麺を探した結果がこの形だと言う。制約が名物を生む。旅程の制約が旅を面白くするのと、同じ理屈がどんぶりの中にある。

駅そばの旨さの3割は、発車時刻が調味している。
— fin —
投稿:えきそば見習い青春18きっぷの残り回数を駅そばの杯数で数える人。
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